弘前藩よろず生活図鑑 Web版

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2009.07.26

「津軽神楽」と夜宮

高照霊社での奉納が始まりといわれる津軽神楽

「津軽神楽」は、神社の祭礼などに奉納される社家神楽で、舞も楽も神官のみが行う大変格式が高い神事芸能である。 4代藩主信政は、吉川惟足に入門して神道や国学を学び、宝永7年(1710)に没すると、岩木山麓に高岡霊社として祀られた。

2年後の正徳2年(1712)、藤崎町の堰八豊後安隆(せきはちぶんごやすたか)は江戸の鏑木大蔵(かぶらきおおくら)や京都などで伝習を受け、正徳4年(1714)に帰藩。東照宮の山辺丹後(やまべたんご)と相談し神職を指導、同年7月高照霊社(現・高照神社)の祭典に奉納したのが津軽神楽のはじまりといわれている。

囃子に使う楽器は、太鼓、小太鼓、笛、手平がね。現在、神入舞・宝剣・磯浪(いそら)・千歳(せんざい)・榊葉(さかきば)・弓立(ゆだて)・天王(てんのう)・朝倉・湯均舞(ゆならしまい)・御獅子(おしし)・四家舞(しかのまい)の、11演目が伝えられている。

平川市の猿賀神社では、今年5月に崇敬会大祭が催され、本殿の完成を祝い約30年ぶりに四家舞が披露された。四家は士農工商をあらわし、殿中の慶事や神社の落成行事の際に行われる真剣を使った古式ゆかしい舞である。

津軽神楽保存会会長で、猿賀神社や弘前市品川町の胸肩神社などの宮司を務める山谷敬さんは、「神事的要素が強く、弘前藩の殿様ゆかりの津軽神楽を大事に守っていきたい。また、今年は『四家舞』を復活させたこともあり、今後は国の重要無形民俗文化財に指定されるよう働きかけていきたい」と語っている。

高照神社の宝物殿には、正徳4年(1714)7月に今井源右衛門が作成した『於高岡御祭礼御規式帳』が保管されており、津軽神楽についての記載もある。また、藩政時代の神楽面も展示しており、津軽地方に伝わる神事芸能の貴重な資料となっている。

夜宮などで見学できる津軽神楽

津軽では5〜7月に各神社で夜宮(宵宮)が行われ、夏の風物詩となっている。藩政時代には、一つの部落ができるとさっそくお宮をつくり、産土神(うぶすな)を祀ったという。

祭りは神前・境内を浄め、神官・氏子が精進して神迎えをする行事で、夜宮は暗闇のなかで神を迎える前夜祭であった。

津軽神楽は、津軽地方の総神社数約400社のうち、岩木山神社、猿賀神社、弘前八幡宮、胸肩神社ほか、各神社の夜宮などで行っており、誰でも見学できる。その他、夜宮以外のお祭りでも不定期に行っている。

挿絵1

挿絵2

挿絵3

挿絵4

挿絵5

挿絵6

挿絵7


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