弘前藩よろず生活図鑑 Web版

陸奥新報紙面で掲載した内容を、
不定期に更新していく、
Web版よろず生活図鑑です。
紙面を見逃した方も、初めて読む方も、
分かりやすい内容となっています。

2009.08.01

津軽の秋最大の風物詩
津軽の奇祭と講

挿絵1

10mの龍蛇体が練り歩く、奇祭「虫おくり」

「虫送り」は、病害虫の駆除と豊作祈願を目的とした農耕行事で全国各地でみられる。津軽地方では、かつてイナゴの大群によって西北地方の稲が全滅したことから始まったとされる。

『永禄日記』寛永4年(1627)6月の記事に、『稲虫がおびただしく、散在で虫祭りが行われ、藩でも天海僧正に7日間の祈祷を行わせた』とある。木彫りの龍型の頭に稲わらで編んだ胴体でつくられる虫は、大きい物では10m程。昔の稲作りは部落単位で行っていたため、部落入り口の高い木に虫を掲げ、村に悪疫が入らぬように祈願すると共に、五穀豊穣を願ったという。

毎年6月に、五所川原市内や岩木川河川敷を会場に開催される「奥津軽虫と火まつり」では、農業と深い関わりのある地域の伝統を継承するために西北の町村が集まり、それぞれの土地に伝わる伝統芸能を披露する。

祈りを灯す「ろうそく祭り」

弘前市相馬地区に約400年前から伝わる「沢田ろうそく祭り」は、ろうの流れ具合でその年の豊凶を占う伝統行事である。

旧暦1月15日の夕暮れ、集落の人たちは、高さ90メートルの岩山にある神明宮岩屋堂に参詣し、岩肌のくぼみに次々にろうそくを立てて行く。

雪の岩屋堂に無数のろうそくの炎がゆらめく様は、神秘的な光景である。

毎年、久渡寺で開催される「オシラ講」

「オシラサマ」は、一対の人形を御神体とする民間信仰で、北海道、東北、北関東地方などに広く伝わっている。農の神、漁の神、養蚕の神ともいわれ、その起源は定かではないが、青森県立郷土館には享保16年(1731)のオシラサマが所蔵されている。

御神体は桑の木や竹の棒でできており、これに「オセンダク」と呼ばれる端裂れを被せて祀る。

弘前市にある久渡寺では、毎年5月15・16日に「オシラ講」が開催される。これは、明治20年頃から始まったもので、祭壇に祀って祈祷を受けるとオシラサマの位が上がるという伝承もあり、家や村で祀っているオシラサマを持って参拝客が集まる。

挿絵2

挿絵3

挿絵4

挿絵5

挿絵6


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