弘前藩よろず生活図鑑 Web版

陸奥新報紙面で掲載した内容を、
不定期に更新していく、
Web版よろず生活図鑑です。
紙面を見逃した方も、初めて読む方も、
分かりやすい内容となっています。

2010.11.04

囲炉裏で料理

挿絵1

鍋料理、焼き物の調理場

弘前城亀甲門向かいにある「石場家」は、弘前藩出入りの商家として知られる。建築年代は江戸後期と推定され、こみせに面した蔀(しとみ)、太い梁(はり)に風格と年輪が刻まれている。囲炉裏は台所と常居(じょい)の2ケ所にあるが、常居の囲炉裏は、いわば家長専属の暖房設備。家長が横座に座り、藩からの来客や町の旦那衆など限られた人のみが通されたという。常居の囲炉裏は木炭のみを使い、調理は行わなかった。一方、台所の囲炉裏は女性や子ども用で、薪と木炭を使い分け、あらゆる煮炊きを行なった。 

18代当主・石場清兵衛さんは、「カギノハナ」(自在鉤)を指差して語る。「ここの縄が炭化して弱くなり、吊している鍋が囲炉裏に落下することがあるんです。灰が舞うことから『灰神楽(はいかぐら)』と言われる現象ですね。でも、縄のすごい所は、ねじれてほどけながらゆっくりと切れること。だから、鍋もするすると下がって中味もこぼれない。これが単線だとそうはいかないでしょう」。囲炉裏のまわりには、先人の知恵と文化が凝縮されている。

鍋料理以外にも、「ワタシ」という足つきの網の上でキノコや餅などを焼いたり、魚を串焼きにし、「ベンケイ」(弁慶)に刺して乾燥・保存するなど、炎と道具を活用し実に多彩な調理を行った。この他、農村・漁村部では囲炉裏の上に「火棚」を組み、布海苔などさまざまな食料の乾燥にも用いた。

挿絵2

挿絵3

挿絵4

挿絵5

挿絵6


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